ポケモンカードはなぜ買えない?転売ヤーが買い占める理由

COLUMN
2022.12.9

2022年12月2日にポケモンカードゲームソード&シールドハイクラスパック「VSTARユニバース」が販売されましたね。メーカー希望小売価格ではカード10枚入り550円(税込)、5,500円 (税込)で販売されていますが、二次流通市場ではすぐさま上乗せされた価格で販売されていました。

あきらかに転売目的のカートン売り(20BOX入ったダンボール1箱)もあり、ポケモンカードの人気とともに転売の標的にされてしまっている現状があります。

この記事では、ポケモンカードが転売の標的にされてしまう理由と、転売に対する対策などを記載しています。

そもそも転売とは

転売は、仕入れた商品に対して、その購入金額よりも高い価格で販売する行為を指します。また、転売ヤーとは、はじめから商品を転売することを目的として商品を大量購入し、オークションサイトやフリマサイトなどを利用して高値で売る者たちのことを言います。

以下のような商品が転売の標的に挙げられます。

  • 最新のコンシューマー電化製品(スマートフォン、テレビ、ゲーム機など)
  • ブランド品(ファッション、バッグ、腕時計など)
  • デジタル機器(カメラ、パソコン、タブレットなど)
  • 輸入家具(ソファ、テーブル、ベッドなど)
  • 珍しいコレクターズアイテム(レアなポスター、レトロなおもちゃ、映画のキャラクターグッズなど)

転売ヤーの活動によって商品の値段が上昇し、多くの人が商品を購入できないなどの悪影響を及ぼし、正規の購入者が不利益を被る可能性があります。さらに、二次流通市場による取引のため、いくら市場価格が上昇したとしてもメーカーなどの販売元には一円も入りません。

転売は違法になるのか

転売と聞くと、「不正」「違法」「悪質」とマイナスイメージを持たれる方が多いかと思います。

基本的に転売そのものには違法性はありません。しかし、例えば商品の値段を抑えるために偽造品を販売したり、転売目的での購入を禁止する売主との合意を破って購入しその商品を販売するなどの行為を行なっている場合には違法になります。また、特定の商品などを極端に大量に購入して購入者以外の人に販売するなどの行為も違法とみなされる場合があります。純粋に自身の不用品をフリマサイトなどで販売する場合には違法とはなりません。

利益を出そうという意思をもって継続的に販売を行う場合は、古物商許可を取得することで違法となることを避けられます。古物商許可は、販売者が適正な古物商として営業を行えるようにするために設けられたものです。古物商許可を取得せずに転売を行うことは、公共の安全や秩序を損なう行為となり、行政上の処罰を受ける可能性があります。

古物商許可を取得しないで利益を得る目的を持ち、中古品の転売を継続した場合は、「3年以下の懲役または100万円以下の罰金」に処せられる恐れがあります。

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ポケモンカードに群がる転売ヤーの現状

近年、ポケモンカードの市場では、多くの転売ヤー(「転売」と「バイヤー」を掛け合わせてできた造語)が登場し、一般人が正規の手段で購入することを難しくさせています。ポケモンカードの転売ヤーは、オークションサイトやフリマアプリといった個人売買が可能なオンラインプラットフォームなどを利用し、インターネット上での販売を中心に活動しています。

また、転売ヤーは、ポケモンカードを安く購入して複数のカードを一括で販売する「まとめ売り」という手法を多く用いています。低額カードと高額のカードを織り混ぜることで、仕入れた額との差分により、利益を得ています。

何故ポケモンカードが転売ヤーに狙われるのか

ポケモンカードが転売ヤーに狙われるのは、カードの価値が高騰していることが大きな理由です。ポケモンカードは、販売当初から歴代の特定カードが非常に人気があり、その中でも特にレアなカードを手に入れるのは非常に困難です。そのため、定価で商品を獲得するために在庫の買い占め行動をしがちになります。また、まとめ売りを行う転売ヤーに関しては低額カードを多く仕入れる必要があるため、インターネット上だけでなくトレカ専門店などから仕入れることもあり、販売者も転売ヤーに頼ってしまう現状もあります。転売ヤーからポケモンカードを買う個人においても、「少しだけなら高くても買う」という方が多くいることもあり、不当な転売を止めることは難しいのです。

また、人気の理由として、ポケモンカードは基本的に数量限定でリリースされるため、レアカードなどは希少性が高く、その分値段も高くなることがあること。そして、ポケカはカードの収集だけでなく、他のユーザーと交換したりプレイしたりする楽しさが魅力の一つであることがあります。さらに、大会も多く開催されており、多くのプレイヤーが参加するトーナメントなどでプレイヤー同士の交流や競争が盛んに行われていることが、プレイヤー数の増加に繋がっているようです。

その結果、ポケモンカードの価格が上昇したり、取引が活発化したり、取り扱う業者が増えており、ポケモンカード市場では需要と供給のバランスが崩れている状況。また、国内外のカード市場では、当初の価格よりも高値で取引されている場合が多くなっているため、供給が需要を満たしきれていないという状況が続いています。

転売を阻止する販売側の抵抗

転売を阻止する施策として、ヨドバシやトイザらスは転売対策としてボックス買いの場合でも外側のビニール包装(*)を取り外してから渡す、ポケモンセンターオンラインでは販売を抽選方式で行うなど行っています。

また、オンライン上での転売を阻止するためには、商品を購入する際に、個人情報を入力するなど、一人一個しか購入できないようなシステムを導入するなどの対策が行われています。

(*)シュリンク包装を指します。ポケモンカードを包み込むような紙製の包装材です。それによって、カードが汚れや折れをしないように保護されます。また、カードを開封することで、誰が開封したのかを把握できるため、転売を防止するという効果があります。

ポケカが買える場所

ポケモンカードを購入する場所としては、トレーディングカード専門店やホビーショップ、ゲームセンター、デパート、家電量販店などが挙げられます。また、インターネットを使ってインターネットショップなどでも購入することができます。

  • ポケモンセンターオンライン
  • コンビニ
  • トレカ専門店
  • ヨドバシやコジマなどの家電量販店
  • トイザらスなどのおもちゃ屋
  • TSUTAYAやゲオ
  • イオンやイトーヨーカドーなどのデパート

まとめ

最近、ポケモンカードの価格高騰のため、トレーディングカード専門店にて盗難する、販売店舗へ押しかけ客同士で揉め事を起こすなど、他者へ迷惑をかけているニュースをよく見かけます。店舗側の対策だけではまだまだ不十分な現状であるため、純粋にポケモンカードゲームを楽しみたい人たちが楽しめない状況が起こらないよう、業界全体で取り組むべきことは多くありそうですね。