収集品投資のメリットとデメリット
収集品とは、収集品は元の販売価格よりもはるかに高い価値を持つアイテムであり、スニーカーやアート、トレーディングカード、クラシックカー、漫画本、NFTなど、人々が収集する可能性のある価値のあるものです。収集品投資とは、株式、債券、現金、不動産など他のカテゴリーに属さない代替投資(オルタナティブ投資)とに当てはまります。
Market Decipherによるデータ分析では、世界の収集品市場の規模(実額)を4120億ドル、2032年には6924億ドルと推定しており、市場の拡大が見られる分野です。急成長している分野は、スポーツ記念品、NFT、おもちゃなどです。
取引されているアイテムとして、幻のゲーム機“任天堂プレイステーション”が36万ドル(約3,700万円)で落札されたこともあれば、『DC Comics(DC コミックス)』が1938年に出版した漫画雑誌『Action Comics #1(アクション・コミックス #1)』が2014年に290万ドル(約3億円)といった驚異のプレミアム価格で値が付くなど、日に日に投資対象としての価値が認められています。
しかしながら、高額なアイテムも多いため、収集品投資を始めるにもハードルが高いと感じる方も多いかと思います。
今回は、収集品投資を始める際に、参考にすべきいくつかの要素を挙げました。
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収集品に投資を行うオルタナティブ投資が注目される理由:https://www.myalty.co.jp/blog/70
収集品投資のメリット
収集品の価値は、主に需要と供給に基づいて評価が決定されます。
投資リスクの分散
株式、債券、現金、不動産などに集中してポートフォリオを組んだ場合、それらの市場が下落した際に全体的なリスクが発生する可能性があります。多様性のある投資(分散投資)はリスクを大幅に下げること、そしてポートフォリオの利回りを高める可能性があるため、大きなメリットとなります。
魅力
収集品の価値は『所有したい』と思わせる魅力があります。それは幼少期を懐古するアイテム(フィギュアや漫画など)であったり、とても強いものであったり(トレーディングカードなど)、ステータスであること(宝石や時計など)が挙げられます。好きなものを保有できる楽しさは、何者にも代えがたいものがあるかもしれません。
希少性
需要は高いが供給が少ないアイテムは価格を高騰させる要因の一つです。 投資家にとって目当てのアイテムが希少であればあるほど所有欲を掻き立てられることでしょう。アイテムが高額になる可能性が高いことと同時に、アイテムが提供する満足度や利点も認識しているのです。投資家は、アイテムの入手にかかるコストよりもアイテムを所有することで得られる “満足度” “利益性” といった大きなメリットに投資しているのです。
利益獲得の可能性
収集品投資に成功した例があります。
近年の驚異的な利益の例としては、株式会社「zozo」の創業者で実業家の前澤友作氏が、2016年5月にニューヨークで開催されたChristie’sのオークションで5,700万ドル(約66億円)で落札した作品を、8,630万ドル(約110億円)で売却しました。
収集品投資のデメリット
高額な取引手数料
求める収集品を保持するコレクターと直接取引でない限り、取引手数料は必ず発生します。
収集品を保有する方法として一般的な “オークション” では、落札価格に加えて20%~30%ほどの手数料が加わったり、OpenSeaのような仮想通貨で取引されるプラットフォームでは、いわゆる “ガス代” という形で落札手数料の他に支払う必要があります。 また、海外オークションの場合、国内への輸送費用なども加わるため、注意が必要です。
流動性の欠如
収集品の価値は、時間の経過と状態がその価格と大きく関係しています。
状態が劣化した収集品はあまり価値がつかず、手つかずの完璧な状態で保管された収集品は価値が高まる可能性があります。しかしながら、歴史的価値があり、保存状態の良い収集品は希少性が高く、さらにコレクターが長期間保持する傾向にあることから、非流動的であるといえます。
保管と保険
歴史的な金額で落札された収集品に限らず、保管が困難なカテゴリが多く存在します。収集品を恒久的に価値あるものとするためには最良の環境を用意する必要があり、紫外線や湿度、その他破損の危険によって価値が0に近づく可能性を未然防ぐために、保険をかけるのが懸命かもしれません。
オークション落札後にシュレッダーにかけられ、落札価格よりも価値が向上したバンクシーは特異な例といえます。
(リスク)横行する偽造や詐欺
収集品の世界には “偽造” や “詐欺” の影がつきまといます。 スニーカーやアート、トレーディングカード、高級時計といった収集品のみならず、医薬品や日用消費財といったものも偽造のターゲットとなっています。
2016年に偽造品市場は4600億ドル(約46兆円)に達し、OECDおよびEUIPOのレポートによると、2022年までに9,900億ドル(約99兆円)に達すると予測しており、収集品市場に甚大な被害を与えています。
偽造品のクオリティはとても精密で、専門家でない限り人間の目で真贋を区別するには膨大かつ精密なため、自身で判断することは危険です。真贋鑑定済みもしくは購入前に専門家へ真贋鑑定を依頼する等対策をしましょう。
鑑定を行うことで誤ってコピー品を売ってしまう、買ってしまうといった事故を防ぐため、大手フリマアプリでの真贋鑑定サービスの取り組みも増えてきました。
Yahoo! JAPANとSODA、二次流通市場拡大に向け業務提携 ヤフオク!とスニーカーダンクが連携、真贋鑑定を通した安全安心な個人間取引を拡大
フェイクバスターズと楽天「ラクマ」が連携を発表。ブランドスニーカーを中心とした購入代金補償サービス「ラクマあんしん補償(鑑定サービス)」の提供を開始!
収集品はどのように課税されるのか
収集品の売買によって得た収益については、所得税の課税対象ではない「生活用動産の譲渡による所得」に当てはまらないため、所得税の課税対象となります。
譲渡所得の対象となる資産とは 譲渡所得の対象となる資産には、土地、借地権、建物、株式等、 金地金、宝石、書画、骨とう、船舶、機械器具、漁業権、取引慣行のある借家権、配偶者居住権、配偶者敷地利用権、ゴルフ会員権、特許権、著作権、鉱業権、土石(砂)などが含まれます。
参考:国税庁「No.3105 譲渡所得の対象となる資産と課税方法」
収集できるアイテムはどういったものか
対象とするアイテムは多岐にわたります。収集品の市場は常に変化しているため、価格の上昇傾向や人気の度合いなどを常に注意深く観察する必要があります。また、収集品を購入する際には、必ず値段や状態、正確な情報を確認し、慎重に判断することが大切です。
アイテム例:
- スニーカー
- トレーディングカード
- スポーツ記念品
- レトロゲーム
- クラシックカー
- 時計
- ジュエリー
- 骨董品
- 美術品
- 漫画
- 切手
- コイン
- 家具
- サイン
等
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